加圧シャツとは
加圧シャツとは、2015年ごろから流行を始めた、「着ているだけで痩せる服」です。
加圧トレーニング(血流を制限してトレーニングすることで低負荷で筋肉に十分な刺激を与えられる、という考えで行われるトレーニング)が流行した流れで、一気に売り上げを伸ばしたトレーニング関連商品です。
メンズ・レディース問わず、一般的なコンプレッションウェアよりもさらに身体を締め付ける物が多く、その圧力で血流を制限し、トレーニング効果を高める、という考えの元で開発・製造されています。
加圧シャツの謳う効果とは
加圧シャツメーカーは、概ね以下の通りの効果を謳っています。
- 血流を制限し、トレーニング効果を高める
- 着るだけで筋肉に刺激が入り、シェイプアップする
- 着るだけで痩せる
- 姿勢がよくなり、猫背が治る
- 締め付ける事で血圧が上がり、デトックス効果がある
といったものです。
実際の効果は・・?
上で述べた効果、全てありません。
まず、加圧トレーニングで使うバンドはかなり強めに締めないと効果はありませんが、あれと近い圧力で締め付ける服があったら、間違いなく着る事が出来ません。
それに締め付けたとしても、それだけで筋肉が付いたり、ましてや痩せる事なんて絶対にあり得ません!
猫背は一見効果が有りそうですが、実際には腰やお尻の姿勢からくるものがほとんどで、上半身の姿勢を無理やりどうこうした程度では変わりません。
デトックス効果も、血が停滞しやすい膝下などを締め付けて血流が良くなる事は有りますが、上半身のウェアにそんな事は意味がありません。
そもそも、デトックスという考え自体が眉唾物なのですし。
ということで、加圧シャツに一切の効果はありません。
加圧シャツの問題点
加圧シャツは上記の通り、全く効果が無い物です。
ですから、実際に景品表示法違反で、消費者庁に表記の改善を求める措置命令を受けました。
未だに違法な、または違法スレスレな嘘の表記は多々あります。
加圧シャツの問題点はそればかりでなく、締め付けや擦れで気分が悪くなったり、肌が痛んだりする被害も報告されている事です。
もしかしたら「効果があった」という方もいるかも知れませんから断言は出来ませんが、私の経験からは「意味の無い買い物だ」としか言えません。